「門松」「しめ縄」「破魔矢」などの正月飾りを処分するにはいくつか方法がありますが、最も一般的なのが神社やお寺の『どんど焼き』で焼くというものです。
しかし、どんど焼きが行われる日にちは神社などによって異なりますし、地域によって趣旨や名称などが違ってくるというのが少々難点です。
そこで今回、どんど焼きの概要に加えて、どんど焼きの日にちを調べる方法や地域ごとの名称の違いなどをご紹介していきます。
目次
どんど焼きとは?
どんど焼きとは、北海道から沖縄まで全国的に行われる神社やお寺の火祭のことを指し、毎年1月中旬頃(1月15日が多い)に行われます。
主に“門松”、“しめ縄”、“破魔矢”などの「正月飾り」や「書き初め」を焼くのが趣旨です。
正月飾りはどんど焼き以外でも神社やお寺に持っていけば大抵はきちんと処分してくれますし、丁寧に清めて新聞紙で包めば一般ごみとして出すという方法でも問題ありません。
正月飾りは御札や御守のような“神様の依り代”ではなく、あくまで“飾り物”ですからね。
しかし、ゴミとして出すというのをためらわれる人もいると思うので、正式な方法とされている『どんど焼きに持っていく』というのが最も一般的です。
ちなみに、ほかにもどんど焼きには地域によっては以下のような特色があります。
- どんど焼きの火で焼いたお餅を食べる
- 1年の病を除くために灰を持ち帰り自宅の周りまく
- 書き初めを燃やした時の炎が高く上がれば字が上達するといういわれがある
- だるまを燃やす
- 神社以外でも小学校などの子供会の行事として行われる地域もある
- 地域によって名称が違う(例:左義長、とんど(歳徳)、とんど焼き、どんど、どんどん焼き、どんと焼き、さいと焼き)
また、行われる時期や「どんど焼き」という名称も地域や神社によって大きく異なります。
どんど焼きが行われる日はいつ?
かつてはどんど焼きが行われるのは小正月の“1月15日”が主でしたが、現在はそれよりも早く行われる場合が多くあります。
これはかつて1月15日だった成人の日がハッピーマンデー制度により日にちが移行してしまったことが大きな理由です。
1999年まで1月15日の小正月は成人の日で祝日だったのですが、ハッピーマンデー制度により祝日が1月第二月曜日に変更され、1月15日が平日になる年もでてきました。
そこでどんど焼きに参加しやすいように、成人の日(1月第二月曜日)またはその前後の土曜・日曜日にどんど焼きの日にちを移す神社やお寺が増えてきたのです。
他にも多くの地域で正月飾りを外す日に当たる「松の内の最終日」の1月7日に行われることもあります。
ちなみに、2023年の成人の日は1月9日なので、どんど焼きは1月7日~9日または本来の15日あたりが主な候補の日にちです。
ただ、この日にちについては地域によって特徴があるわけではなく、どんど焼きを行う神社やお寺、自治体ごとに全く異なるというのが難点です。
では実際に、自分の住んでいる地域でいつどんど焼きをしているのかを調べる方法について説明します。
1.神社やお寺のHPの「年中行事」を調べる
特定の神社やお寺でどんど焼きを行いたい、家の近くに神社やお寺があるという場合、HPで調べるのが一番手っ取り早いです。
例えば、以下は大阪の“住吉大社HP”における1月の年中行事にある項目です。
有名な神社やお寺は大抵HPがありその中に行事が記されているので、そこから確認することができます。
ただし、神社によってどんど焼きの記載がないこともあるので、その場合は電話等で問い合わせましょう。
2.「〇〇市 どんど焼き」で検索する
自治体でどんど焼きを行っている場合、「〇〇市(区) どんど焼き」で調べれば大体日付などの情報はヒットします。
もう少し細かく「〇〇町」でも構いません。
3.各地の調査データを参照する
各都道府県における地域ごとのどんど焼きの情報を扱っているサイトがあるので、そちらを参照するというのも一つの方法です。
地域ごとの日付だけでなく概要も詳しく記載されています。
地域ごとの名称の違い
続いて、地域ごとのどんど焼きの名称の違いについてまとめます。
北海道・東北地方
- 北海道:どんど焼き
- 青森県:どんど焼き
- 岩手県:どんと焼き
- 宮城県:どんと祭、松焚き祭、柳沢の焼け八幡、切込の裸カセドリ、暁祭り
- 秋田県:梵天祭、どんど焼き、天筆焼き、タイマツ焼き、火振りかまくら、サエの神の小屋焼き、竹うち
- 山形県:どんど焼き、さいと焼き、ヤハハイロ、大お柴灯(だいおさいど)まつり
- 福島県:どんど焼き、歳の神、サイノカミ、鳥小屋
関東地方
- 茨城県:どんど焼き、ワーホイ、あわんとり、浜の炊きあげ祭
- 栃木県:どんど焼き、春渡祭
- 群馬県:道祖神祭り、どんどん焼き、どんど焼き、おたきあげ
- 埼玉県:どんど焼き、道祖神祭り
- 千葉県:どんど焼き
- 東京都:どんど焼き、とんど焼き、塞の神行事
- 神奈川県:道祖神祭、どんど焼き、セエノカミサン、左義長
中部地方
- 新潟県:どんど焼き、サイノカミ
- 長野県:道祖神祭、三九郎、どんど焼き、道陸神祭り、おんべ祭り、せいの神、ホンヤリ
- 山梨県:どんど焼き、道祖神祭
- 富山県:左義長、おんづろこんづろ、塞の神
- 石川県:左義長
- 福井県:左義長、どんど焼き
- 静岡県:どんど焼き、さいと焼き、どんどん焼き
- 愛知県:左義長、どんど焼き
- 岐阜県:左義長、どんど焼き
近畿地方
- 三重県:どんど焼き、「年越しのどんど火」
- 滋賀県:左義長、とんど焼き、鬼ばしり
- 京都府:左義長、トンド焼き、どんと焼き、古神札・しめ縄焼納祭
- 大阪府:トンド祭、トンド焼
- 兵庫県:トンド焼き、どんど焼き、かくしほちょじ(ほちょじ焼き)
- 奈良県:トンド焼き、大とんど、鬼はしり
- 和歌山県:どんど焼き、さぎっちょ
中国地方
- 鳥取県:トンド焼き、トンドウ
- 島根県:トンド焼き、五十猛(いそだけ)のグロ
- 岡山県:どんど祭、とんど祭り
- 広島県:トンド祭り
- 山口県:どんど焼き、とんど祭り
四国地方
- 徳島県:日本一のどんど焼き、左義長
- 香川県:とんど焼き、どんど焼き
- 愛媛県:どんど焼き、とんどさん、とうどおくり、お注連(しめ)焼き、鎮火祭
- 高知県:どんど焼き
九州・沖縄
- 福岡県:どんど焼き、ほっけんぎょう・ほんげんぎょう、鬼夜(おによ)さぎっちょ祭り
- 佐賀県:鬼火焚き、ほんげんぎょう、おんじゃおんじゃ、お火たき
- 長崎県:どんと焼き、オンノホネ、どんどファイアーフェスティバル
- 熊本県:どんどや、鬼火たき、どんど祭り、おねび焼き
- 大分県:どんど焼き、鷹栖観音鬼会(たかすかんのんおにえ)
- 宮崎県:どんど焼き、おねっこ、鬼の目はしらかし
- 鹿児島県:鬼火たき、おねっこ、どんど焼き、ドヤドヤサー
- 沖縄県:ドンド焼き、古神札焚上祭(こしんさつたきあげさい)
全国的に「どんど焼き」が多いですが、
中部地方では「左義長」が多かったり、地域ごとの特色が見られます。
名称の多い順だと以下のとおりです。
- どんど焼き
- とんど焼き
- 左義長
- 道祖神祭
- 鬼火焚き
- サイノカミ
- どんどん焼き
ちなみにこの項目は「小正月どんど焼き行事は世界の民俗行事」を参照させていただきました。
あとがき
以上、どんど焼きの日にちや地域ごとの名称の違いなどについてでした。
正月飾りを処分したい方には参考にしていただけたのではないでしょうか。
ちなみに、他にも正月飾りについて色々まとめているので、
ぜひこちらも合わせてご覧ください。