毎年年末から年始にかけて縁起物として飾られる正月飾りですが、何となく飾っているという人は多いのではないでしょうか。
そこで今回、破魔矢を飾る意味や由来、きちんとした正式な飾り方などをご紹介します。
ぜひこの記事を参考にして正月の伝統的な風習を取り組みましょう。
目次
忙しい人のための「破魔矢」の概要
忙しい人のためにこの記事の概要をまとめました。
- 破魔矢を飾る意味:「厄除け」や「幸運を射止める」などの意味がある
- 破魔矢の由来:宮中での正月行事「射礼(じゃらい)」
- 破魔矢を飾る日にち:12月13日~大晦日(特に28日が縁起がよく、29日・31日は縁起が悪い)
- 破魔矢を飾る場所:床の間や神棚が一般的だが、特に厳格な決まりはない
- 破魔矢の方角:方角に決まりはない
- 破魔矢を外す日にち:松の内の最終日(通常1月7日、関西など一部地域は1月15日)
- 破魔矢を処分する方法:「どんど焼き」に持っていく、都合の良い日に神社やお寺に持っていく、一般ごみとして出す
それではそれぞれ詳細に説明していきます。
破魔矢の意味・由来
まず、破魔矢は一体どういうものなのか、
なぜ飾るのか、どういう由来があるのかなどを説明していきます。
破魔矢を飾る意味
破魔矢は他の正月飾りとは異なる意味合いで飾られます。
門松やしめ縄、鏡餅などは歳神様の依り代として飾られますが、
それに対して破魔矢は歳神様とは関係なく「厄除け」や「縁起物」として飾られるのです。
厄除けに関しては“魔”を破るという名前通りで、
これは後述する由来に関係します。
そして、矢になぞらえて「幸運を射止める」という縁起物の意味として飾られることもあります。
破魔矢の由来
破魔矢の由来については、
かつての宮中の正月行事「射礼(じゃらい)」が起源と言われています。
この行事は『ハマ』という円形の的を「ハマ弓」「ハマ矢」で射抜くという競技です。
時代とともにハマが魔を打ち破るという意味の“破魔”に通じるとして、
正月に弓と矢をあわせた玩具を男児のいる家庭に贈るという風習になり、
「破魔矢」「破魔弓(はまゆみ)」と呼ばれるようになりました。
この風習がさらに変化していき、
いつの間にか正月の一般的な厄除け、縁起物として他の正月飾りと同様に飾られるようになっていったのです。
破魔矢の飾り方
続いて、破魔矢を飾る日にちや飾る場所・方角について解説していきます。
破魔矢を飾る日にち
破魔矢に限らず、正月飾りは松の内の期間に入ってから飾ります。
- 一般的な松の内の期間:12月13日~1月7日
- 関西の松の内の期間:12月13日~1月15日
※松の内の詳細はこちら
⇒松の内の期間はいつまで? 松の内の意味や由来とは?
正月までに飾る必要があるので、
『12月13日~12月31日』の期間内に飾ります。
ただしこの期間の内、
特に縁起が良い日、悪い日などあります。
- 28日(縁起が良い):日本において幸運を意味する末広がりの「8」を含む
- 29日(縁起が悪い):『苦』を連想させる「9」が含む
- 31日(縁起が悪い):正月前日は慌ただしく、神様に無礼だと考えられているおり、「一夜飾り」や「飾り方が葬儀を連想させる」と言われる
特に理由がない限り『28日』に飾ると良いでしょう。
これは破魔矢だけでなく他のしめ縄や門松、鏡餅などの正月飾りも同様です。
破魔矢を飾る場所
破魔矢は“神棚”や“床の間”に飾るのが一般的とされています。
床の間とは、畳の敷いてある座敷部屋です。
ただし、これに関しては厳密な決まりがあるわけではありませんし、
神棚や床の間がない家も多いと思います。
なので、玄関や台所、リビングなど、
自分が重要に思っている場所であればどこでも構いません。
ただし、見下してしまうのは不謹慎とされているので、
大人の目線よりも高いところに飾るようにしましょう。
破魔矢を飾る方角
破魔矢は飾る方角を気にする人も多いですが、
これも全く気にする必要はありません。
「凶の方角を向けて飾ると良い」とも言われますが、
凶方位というと五黄殺、暗剣殺、歳破、本命殺、本命的殺など色々ありますからね。
破魔矢は飾ること自体に意味があり、
凶方位の厄を祓うなどというものはないので、方角を気にする意味は無いのです。
破魔矢の処分方法
続いて、破魔矢を取り外したり処分する時期や方法について説明します。
破魔矢を取り外す時期
正月飾りは松の内の期間に飾るものなので、
破魔矢は松の内の最終日に取り外します。
通常は1月7日、関西では1月15日です。
これ以外にも地域によって違うこともあります。
破魔矢を処分する方法
破魔矢などの正月飾りは次の年も使いまわしにする人もいますが、
毎年きちんと処分して1年毎に新しい正月飾りを飾るのが基本です。
正月飾りを処分する方法は3つあります。
- どんど焼きに持っていく
- 都合の良い日に神社やお寺に持っていく
- 一般ごみとして出す
取り外した正月飾りは丁寧に保管した後、
「どんど焼き」に持っていき焚き上げてもらうというのが正式な処分方法です。
どんど焼きとは、1月中旬頃に神社やお寺もしくは自治体で行われている火祭りのことで、
正月飾りや書き初めを焼くのが趣旨の行事を指します。
名称は地域によって様々です。(例:左義長、とんど(歳徳)、とんど焼き、どんど、どんどん焼き、どんと焼き、さいと焼き)
どんど焼きの詳細や日にちに関してはこちらをご覧ください。
⇒どんど焼きとは|2018年はいつ行われるのか?地域ごとの違い一覧
ただ、どんど焼きに行かなくても処分する方法はあります。
どんど焼きの日以外に神社やお寺に行っても、
正月飾りをきちんと焚き上げてくれるところは多いです。
また、それ以外の方法としては一般ごみとして出すというのでも構いません。
縁起物の破魔矢をゴミとして出すのは不謹慎に思うかもしれませんが、
適切に処分すれば問題ありませんし一般的に行われています。
ゴミとして出す手順は以下の通り。
- 細かくする
- 塩で清める
- 丁寧に新聞紙で包む
- ゴミに出す
いずれにしても破魔矢を取り外してから処分するまでは丁寧に扱うのが大事です。
あとがき
以上、破魔矢の意味や由来、飾り方、処分方法についてでした。
破魔矢を飾る人にとっては興味深い内容や、
参考にしてもらえる内容だったのではないでしょうか。
ちなみに他にも正月飾りについて詳しく解説しているのでぜひご覧ください。