十五夜と言えば月見を楽しむ風習が昔からありますが、この日の月を中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)とも言います。
しかし、十五夜は毎年日にちが大きく異なりますし、日にちに規則性はなく複雑です。
そこで今回、十五夜の日にちに加えて、どのように定められているのか、意味・由来について詳しく解説していきたいと思います。
2023年の十五夜
2023年の十五夜は『9月29日(金)』です。(翌日が十六夜)
十五夜といえば満月を見て楽しむ風習がありますが、実際にきれいな満月になるのは翌日なので注意が必要。
また十五夜の日にちは毎年大きく異なりますし、現在の暦では不規則なので、その点も頭に入れておきましょう。
- 2021年:9月21日
- 2022年:9月10日
- 2023年:9月29日
- 2024年:9月17日
- 2025年:10月6日
- 2026年:9月25日
だいたい『10日早まる×2⇒20日遅れる⇒10日早まる×2・・・』というサイクルを繰り返します。
これは十五夜が現行の新暦ではなく、かつて用いられていた“旧暦”によって定めらているからです。
具体的には十五夜は旧暦の8月15日のことを指します。
そして、旧暦を新暦に変換するのは少々手間がかかります。
旧暦の8月15日とは
十五夜の日にちは旧暦8月15日ですが、この日が毎年異なる理由について説明していきます。
ただそのためには新暦と旧暦の違いについて知る必要があります。。
現在使われている新暦は地球による太陽の公転周期(約365.24219日)を基準にし、1年を365日または366日とする『太陽暦』です。
これに対し旧暦は、公転周期以外にも月の満ち欠けの周期(約29.5日)を1ヶ月の基準とし、1年を29.5日×12ヶ月=353~355日、閏月がある年を29.5日×13ヶ月=383~385日とする『太陰太陽暦』です。
その年の始めの新月の日を1月1日と定め、次に新月になる29日後または30日後を2月1日とします。
そして新月から満月になるまでの日数は平均約14.76日後となるため、毎月15日頃が満月の日になります。(実際には満月は1日~2日前後することも多い)
つまり、旧暦の8/15とは、その年の8回目の満月の日ということです。
(旧暦と新暦は1/1の日にちもズレるため、新暦における8回目の満月というわけではない)
これは一見規則的で簡潔なのですが、旧暦の日にちを新暦に変換するとなると、そう簡単ではありません。
新暦において月の満ち欠けは一切日にちに関与していないため、旧暦との日にちのズレも不規則で計算で求めることはできないのです。
3年に一度訪れる“うるう月”も、この問題をややこしくする要因の一つですね。
詳細:新暦(太陽暦)と旧暦(太陰太陽暦)の違いとは?それぞれの仕組みを簡単に図解
十五夜(中秋の名月)の意味や由来
そもそも十五夜とは何なのか。
旧暦における毎月15日に当たる日を十五夜と言うこともありますが、一般的には前述した通り、旧暦におけるその年の8回目の満月の日に当たる日を指します。
中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)とも言われますが、8月は旧暦の秋(7月~9月)の真ん中なので、“中秋”です。
十五夜には月見を楽しむ風習が昔からあります。
かつて中国から伝わった祭事で、平安時代から貴族の間で十五夜に月を見て歌を詠んだり宴を楽しむ風習ができました。
秋の月は有名な和歌に使われたり、様々な物語に描かれてきたため、十五夜の月というのは特別なものと見られているのです。
また、秋は月を見るのに丁度良い高さにあるということも風習の要因と考えられます。
月は夏に高度が低く、冬に高くなりますが、春や秋はその中間です。
建物で遮られるほど低くもなく、かといって高く見上げる必要がない高さに表れる満月、それが十五夜の月なのです。
現在の十五夜の風習
現在の十五夜の風習としては、ススキを飾り、月を見ながら月見団子や里芋を食べるというのが一般的です。
ススキは魔除けの意味や稲に見立てて収穫を祈願する意味で、江戸時代から飾られるようになったとされています。
そして月見団子は十五夜にちなんで15個食べるのが縁起が良いと言われています。
十五夜の風習を楽しみたい場合はぜひ参考にして下さい。
あとがき
以上、十五夜(中秋の名月)の日にちや意味・由来について説明していきました。
今回の内容をまとめると以下のとおりです。
- 2023年の十五夜は9月29日
- 十五夜は旧暦の8月15日だが、新暦では年によって大きく異なる
- 旧暦の8月15日は8回目の満月の日を指す
- 十五夜は昔から特別な満月の日とされており、現在はススキを飾り月見団子や里芋を食べる風習がある
この他にも月に関する言葉について解説しているので、興味があればぜひご覧ください。