土用干しとは?時期や意味を解説(衣類・梅干し・田んぼ)

梅雨前線が去って盛夏を迎える時期。いろんなものを干すのに適しており、昔から色んなものを干す風習がありました。

ちょうど夏の土用にあたる時期なので、土用干しと言われます。

今回は土用干しの時期や意味などを詳しく解説していきます。

土用干しとは?

土用干しとは、夏の土用の期間に衣類・書籍・田んぼ・梅など色んなものを干す風習を総称したものです。

これらはそれぞれに関連性はありませんが、毎年夏の土用はこれらを干すのに適した天候となるため、年中行事として「土用干し」と言われるようになったのです。

夏の土用はいつ?

まず夏の土用とはいつなのか。

これは「うなぎを食べる日」でお馴染み、『土用の丑の日』の『土用』です。

具体的には、土用とは四立(立春、立夏、立秋、立冬)の前、18日(年によっては19日)の期間を指し、年に4回あります。

このうち夏の土用とは、立秋の前約18日間です。季節が変わる前の期間といったところ。

ちなみに、土用の丑の日とは、この夏の土用の期間のうちの12日周期で巡ってくる『丑の日』を指します。

詳しくはこちら:【土用の丑の日とは】2019年はいつ?ウナギを食べる意味や由来をご紹介

夏の土用の天候

夏の土用に入る期間はちょうど本州のほとんどの地域が梅雨明けをしたタイミングです。

詳細:2019年の梅雨入り・梅雨明けはいつ?過去のデータと日にち予想

梅雨前線が去って太平洋高気圧に覆われるため、ジメジメした天気が一変し、晴天の暑い日が続きます。

この時期は梅雨の湿気を払うのに最適なのです。

土用干しの意味

続いてこの時期に衣類や稲などを干すのにどんな意味があるのかを解説していきます。

1.衣類・書籍

  

土用干しは衣類の場合“虫干し”、書籍の場合“曝書”とも言います。

衣類・書籍ともに、日光に直接当たると傷んでしまうため、風通しの良いところで陰干しします。

夏の土用の時期は、梅雨が明けても湿度が高い日が多いので、比較的低湿な日・時間帯を選ぶのが重要です。

2.田んぼ

田んぼの水を抜いてヒビが入るまで乾かすことも土用干し、または“中干し”と言います。期間は1~2周間ほど。

中干しの効果は以下の通り。

  • 土中に酸素を補給する
  • 土中の有害ガスを抜く
  • 窒素の吸収を抑え、過剰分げつを抑制する
  • 土を固くして刈り取りやすくする

3.梅

梅は6月に収穫されますが、これを塩漬けにした後に夏の土用の期間に日干ししたものが『梅干し』です。この日干しの工程が“土用干し”と呼ばれています。

つまり、私達が日頃口にする梅干しは土用干しされた梅ということです。

この時期は1年の中でも特に紫外線が強いので、殺菌効果により保存性が高まります。

あとがき

以上、土用干しの風習や意味について解説しました。

土用干しは世間一般ではあまり馴染みがない風習ですが、普段口にする米や梅干しが土用干しされたものだと考えると、身近なものに感じられるのではないでしょうか。

ちなみに土用に関連して、土用の丑の日についても意味や由来などを詳しくまとめています。興味があればぜひご覧ください。

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