秋晴れの時期はいつ?意味や挨拶状での使い方について解説

秋に空気が済んで晴れ渡る天気を『秋晴れ』と言います。

毎年梅雨の時期に雨の日が多くなるように、秋の特定の時期には空が抜けるような青空になることがあり、これは日本の特有の気候です。

今回は秋晴れの時期やメカニズムなど詳しく解説していきます。

秋晴れとは?

秋晴れの時期

名前の通り時期は秋ですが具体的には10月中旬~11月頃に見られる現象です。

この時期になると、日本全域が高気圧に覆われて快晴となり、多くの地域でまさに“雲ひとつない青空”というような天気が数日続くことがあります。

これが秋晴れです。

11月3日は晴れの特異日

秋晴れが見られる時期でも、特に『11月3日』は統計的に晴れとなることが多いため、この日は晴れの特異日とされています。

他にも雨の特異日(3/30、6/28、7/17、8/18)、台風襲来の特異日(9/17、9/26)、猛暑の特異日(8/18)、花冷えの特異日(4/6)そして11/3以外にも晴れの特異日(1/16、3/14、6/1)があります。

ただし実際には11月3日が他の日にちと比べて晴れる日が明らかに多いのかと言うと、そういうわけではありません。

こちらに東京における1年間の日にちごとの天気の確率がまとめられています。⇒東京の日別天気出現率

11月3日は前後の日と比べるとたしかに若干晴れの確率は高いですが、それよりも11月18日や11月23日などもっと晴れの確率が高い日はありますね。

ちなみに11月3日といえば“文化の日”ですが、晴れの特異日との関係はなさそうです。

秋晴れは「秋の空が変わりやすい」と言われる要因

この時期はずっと快晴が続くというわけではなく、低気圧と高気圧が交互に日本にやってくるため、むしろ不安定な天気となります。

「秋の空」というと変わりやすいものの象徴として昔から俳句などに使われてきました。『女心(男心)と秋の空』という故事がありますが、女性(男性)の気持ちが変わりやすいことを秋の空でたとえられています。

この「秋の空が変化しやすい」ということの一端は“秋晴れ”が担っているのです。

「秋晴れ」は挨拶状に便利

秋晴れは10月、11月に送る挨拶状にも使われます。風情があり非常に汎用性の高い語句なので時候の挨拶に使うのもおすすめです。

秋晴れの挨拶状での使い方(例文)

  • 秋晴れの候
  • さわやかな秋晴れの続く今日このごろ
  • 秋晴れの好天が続く今日此頃、皆様ご清祥のこととお喜び申し上げます。
  • 秋晴れの心地よい季節となり、ΟΟ様におかれましてはご健勝のこととお慶び申し上げます。
  • すがすがしい秋晴れが続きますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。
  • 吹く風もさわやかな秋晴れの日が続いていますが、お健やかにお過ごしのことと存じます

秋晴れのメカニズム

最後になぜ秋晴れが生じるのか、そのメカニズムを簡単に見ていきましょう。

秋晴れ以外でも日本では毎年同じ時期に台風が来たり、雪が降ったり、ジメジメしたり、四季特有の気象現象が見られます。

これらの原因は主に日本の周りにある4つの気団(シベリア気団・オホーツク海気団・揚子江気団・小笠原気団)による影響です。

秋晴れが見られる少し前の8月後半~10月ごろは大雨に見舞われることがありますが、これは寒冷なオホーツク海気団と温暖な小笠原気団の境目にできる秋雨前線が日本で形成されるからです。

10月~11月ごろ。小笠原気団が弱まり秋雨前線が小笠原諸島まで南下しだしたころに両者の間に割って入るように移動性高気圧である“揚子江気団”の一部が偏西風で切り取られて日本に訪れます。

移動性高気圧の間に温帯低気圧ができるため、高気圧が日本を通り過ぎた後に低気圧が続き、また高気圧がくるので、秋晴れの時期には快晴の日と雨の日が交互にきます。

大体3~4日周期です。

以上が秋晴れのメカニズムとなります。

ちなみに秋晴れと同じく揚子江気団の影響で数日間快晴となる現象が春にも見られ、これを五月晴れといいます。

あとがき

以上、秋晴れについて解説していきました。

秋晴れと同じ時期くらいに見られるのが『木枯らし』です。そしてその年のはじめに観測される木枯らしは『木枯らし1号』と言われ、地域によっては天気予報などでよく耳にするかと思います。

木枯らしについても詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。

木枯らしの意味とは?木枯らし1号の条件(時期・風速)について解説