日本の季節に“半夏生(はんげしょう)”というものがあり、この日には地域によって特有の食べ物を食べる風習があったりします。
ただし、この半夏生は年によって日にちがずれたりもするため少しややこしい日でもあります。
今回は今年の半夏生の日付に加えて、半夏生の意味や日付の定まり方、各地の風習について詳しく説明していきます。
2020年の半夏生の日にち
2020年の半夏生の日にちは『7月1日(水)』です。
半夏生は7月2日になることが多いのですが、年によって±1日のズレが生じることがあります。
ではこの半夏生の日にちはどのように定められているのか、そもそもこの半夏生にどのような意味があるのかを見ていきましょう。
そもそも半夏生とは?
半夏生を簡単に説明したら、1年を72分割してほぼ5日間隔で区切った季節、“七十二候”の一つです。
もっと言えば、夏至や冬至、春分、秋分、立春、立夏などが1年を24分割した“二十四節気”であるのに対し、七十二候はこれら24の季節をさらに3つに分けた期間のことを指します。
ではこれらの季節は何を意味するのか、どのように定められているのかを説明します。
重要になるのが、“地球と太陽の位置関係”です。
半夏生における地球と太陽の位置関係
地球は自転と公転を繰り返しています。
1日周期で地軸で1回転し、1年周期で太陽の周りを1回転しているということです。
後者の公転により地球と太陽の位置関係は変動しているのです。
この変動を分かりやすく説明するために地球を一点に固定すると、太陽は以下のように地球の周りを回っていると考えることができます。
この太陽が通る見かけ上の通り道を“黄道”と言います。
黄道の経路1周を24分割した15°間隔で“二十四節気”が定められており、さらにそれぞれを3分割した5°間隔の期間が“七十二候”となります。
ただし、地球と太陽の位置関係は年によって若干ズレてしまうため、夏至や冬至など二十四節気、または七十二候は年によって±1日の誤差が生じるのです。
春分の位置を0°とした時の現在の地球から太陽の見える位置の角度を黄経と言いますが、この黄経が100°~105°の期間が半夏生です。
ただ、一般的に100°の日(大体7月2日)を指して半夏生ということが多いです。
ちなみに、夏至は黄経90度となる日で、地軸の傾きにより北半球の日照時間が最も長くなります。
半夏生は夏至の10日後、もしくは11日後です。
半夏生の風習
半夏生には昔から地域ごとに特定の食べ物を食べたり、行事を行ったりする風習があり、現在でもその名残が残っています。
昭和三十年頃までは夏至から半夏生にかけて田植えの最盛期となり、それを乗り越えると米の豊作祈願や労のねぎらいのために、その土地特有の食品をお供えしたり食べたりしていました。
現在、田植えはそれぞれの地域で時期はバラバラですが、夏至(6月23日頃)~半夏生(7月2日頃)にかけて特定の物を食べるという風習は今でもあります。
関東や奈良では小麦ともち米を混ぜて作る半夏生餅、関西ではタコ、京都では水無月という和菓子、香川ではうどん、などなど。
詳しくはこちらをご覧ください。
⇒夏至とは?地域ごとの風習や食べ物について解説
あとがき
以上、半夏生の概要や日付についてでした。
まとめると以下のとおりです。
- 2020年の半夏生は7月1日
- 半夏生は地球と太陽の位置関係によって定められ、黄経100°となる日がそれに当たる
- 半夏生は夏至(黄経90°)の10日後、または11日後
- 夏至から半夏生にかけて各地域特有の物を食べる風習がある
ちなみに、夏至についても詳しく説明しているので、興味があればぜひこちらもご覧ください。
⇒【2020年】今年の夏至の日にちはいつ?意味や由来・日照時間について