冬至の食べ物や風習「かぼちゃ」や「ゆず湯」の意味・由来

冬至は年によって日付が変わることがありますが、日照時間が最も短くなるという特別な日です。

そのため、冬至には様々な風習が昔にはありましたし、現在も「かぼちゃ」や「ゆず湯」など名残りがあります。

今回は冬至の風習の由来や意味について解説していきます。

冬至とは?

地球は太陽の周りを1年かけて1周しますが、
上のように特定の位置を地球が通る日がそれぞれ春分・夏至・秋分・冬至です。

他にも立春や立夏、立秋、立冬などありますが、
360°を24等分してこれらを定めており、これを“二十四節気”といいます。

夏至や冬至は地軸の傾き方向に太陽があるため、
夏至は北半球の方が太陽が当たりやすく、冬至は南半球の方が太陽が当たりやすくなるのが図からわかりますね。

そのため、夏至北半球の日照時間が1年で最も長くなり
冬至北半球の日照時間が最も短くなります

ちなみに、2018年の冬至は12月22日

年によって冬至の位置を地球が通る日は若干異なるため、
冬至の日付は年によって1日前後するのです。

冬至の定義や二十四節気についてざっくり説明しましたが、
より詳細に説明しているので興味があればこちらもご覧ください。
【2018年】今年の冬至の日にちはいつ?意味や由来・日照時間について

冬至の風習の意味・由来

では、冬至の風習について解説していきます。

冬至に何かするという風習はそこまで有名ではありませんし、
取り上げられることも稀です。

これはクリスマスが近いため、
スーパーやコンビニの販促がそちらに集中するということがあるかもしれませんね。

それでも日本には冬至ならではの風習がいくつかあるので、
それらをここで紹介していきます。

代表的なのは以下のものです。

  1. 運盛り(「ん」がのつくものを食べる)
  2. かぼちゃを食べる
  3. ゆず湯
  4. 冬至粥

1.運盛り(「ん」がのつくものを食べる)

冬至の日には「ん」がつくものを食べることで運気が上がるということは昔から言われてきました。

れんこん、だいこん、いんげん、ほうれん草、こんにゃく、さんま、みかん、りんご等

この風習には『一陽来復』という考え方が関係します。

冬至は最も日が短く、翌日から徐々に長くなっていくため、
冬至が「陰」の極みで翌日から「陽」にかえるという考えです。

幸運に向かっていくという意味もあります。

当時のかな文字「いろはにほへと」は最後に「ん」がくることから(現在と同様ですが)、
「ん」には一陽来復の願いが込められており、冬至には縁起が良かったのです。

また、特に「ん」が2個つくものは“冬至の七種(ななくさ)”と呼ばれています。

  • なんきん(かぼちゃ)
  • にんじん
  • れんこん
  • ぎんなん
  • きんかん
  • かんてん
  • うんどん(うどん)

2.かぼちゃを食べる

冬至の風習で全国的に最も一般的なのが「かぼちゃを食べる」というものです。

かぼちゃは南瓜(なんきん)と書くことができ、「ん」がつくため、
これも運盛りのひとつなのです。

そして現実的な話として、かぼちゃは単純に栄養豊富なので、
風邪になりやすいこの時期に食べるのが健康に良いとされてきました。

旬の野菜というのも一因です。

かぼちゃは糖質が多く水分が少ないため野菜の中では高カロリーです。
栄養素的には野菜というよりはイモ類に近く炭水化物の野菜と見ることができます。

しかし、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、カリウム、食物繊維、
重要な栄養素の多くが豊富に含まれるため野菜の中でもトップレベルの栄養価を誇るのです。

風邪やインフルエンザの予防として非常に心強いですし、
消化にも良いので実際にこれらの病気にかかってしまった際の栄養補給にも重宝します。

詳細はこちら。
インフルエンザ予防に効く食べ物一覧&栄養の摂り方のポイント

3.ゆず湯

かぼちゃの次に有名な風習が「ゆず湯」です。

ゆず=「融通」、冬至=「湯治(とうじ)」と語呂をかけていたという説があります。

※湯治:温泉に入って病気の治療をすること

ただ、これは後付けであり、
本当の由来としては厄除けという説が有力です。

ゆず湯の風習ができた当時、江戸時代は毎日お風呂に入ることはありませんでしたが、
「一陽来復」の考えのもと運を呼び込むために冬至の日にゆず湯に入って邪気を払おうとしたそうです。

また、ゆず湯には血行促進や冷え性改善の効果が見込めるため、
冬の寒さを乗り越えるという意味もあります。

4.冬至粥

冬至の朝に小豆粥を食べることを「冬至粥」と言います。
小豆粥とは米と小豆を炊き込んで作るお粥です。

冬至の他にも小正月(1月15日)に食べたり、
1月7日に七草粥の代わりに食べたりする地域もあります。

小豆のような赤いものには邪気を払う力があると昔から言われており、
これも「一陽来復」の考えで運を呼び込むための邪気払いとして食べられていました。

あとがき

以上、冬至の食べ物や風習の由来についてでした。

冬至は年によって日付は変わりますが、
毎年この日が最も日照時間が短くなるということは変わりません。

理由についてはこちら
【2018年】今年の冬至の日にちはいつ?意味や由来・日照時間について

このことから、昔から特別な日と捉えられており、
各地に色んな風習がありました。

しかし、現在は「かぼちゃ」や「ゆず湯」以外は冬至の風習はあまり知られていません。

冬至の数日後にはクリスマスといういうこともあり、
あまり注目されることもありませんからね。

ただ、こういう由来は面白いものが多く話のネタにもしやすいので、
覚えておくと何かと重宝するのではないでしょうか。

それでは最後まで読んでいただきありがとうございました。