「汎用」の読み・正しい意味とは|使い方を例文で解説

「パソコンのショートカットキー【Ctrl】+【Z】は汎用性が高い」

「麺つゆは色んな料理で汎用しています」

このように『汎用はんよう』という言葉は様々な場面で使われる言葉です。ビジネスシーンではもちろん、日常生活の中でも頻繁に耳にすると思います。

しかし汎用の意味をよく知らない人や読みを間違う人は少なくありません。

特に凡庸ぼんよう平凡へいぼんの『凡』のイメージが強いため、汎用を【ぼんよう】と読んでしまう人も多いのではないでしょうか。しかし『汎』と『凡』は読みも意味も全く異なります。

さて、今回は汎用の正しい意味や使い方について詳しく解説していきます。

『汎用』の概要

  • 読み:はんよう
  • 意味:幅広く適用したり、一般的に活用したりすることができること
  • 例文:玉ねぎは汎用性が高い野菜だ(色んな料理で使う)
  • 対義語:専用

『汎用』の意味

『汎』とは「広くそのすべてにわたる」という意味。つまり『汎用』とは「広く用いる、広く使われる」となります。

『汎』が含まれる他の熟語の意味を考えると『汎』の漢字のイメージがわかるのではないでしょうか。

  • 汎愛:すべてのものを分け隔てなく愛すること
  • 汎称:広くひっくるめて呼ぶこと
  • 汎濫:河川などの水が増しあふれ出ること、物があふれること出回ること
  • 汎論:広く全体にわたって論じること

『汎用』の対義語は『専用』です。

たとえばフライパンは様々な調理に使える『汎用』調理器具であるのに対し、たこ焼き器はたこ焼きの『専用』調理器具です。

「特定のことだけに用いる」という意味が『専用』。これの対義語が「幅広く用いる」という意味の『汎用』となるのです。

ちなみに読みに関しては訓読みで『ひろく』となりますが、音読みでは基本的に【はん】としか読みません。

『汎用』の使い方・例文

汎用の代表的な使われ方としては主に以下の4つが挙げられます。

  1. 汎用性
  2. 汎用的
  3. 汎用する
  4. 汎用〇〇

それぞれの使い方を例文とともに見ていきましょう。

1.汎用性

『汎用』の最も多い使われ方が「汎用性が高い(低い)」「汎用性はない」「汎用性に富んでいる」などです。

  • ロードバイクは遠方に行く場合だけではなく近場でも手軽に使えるので汎用性が高い
  • 都会は公共交通機関が便利なので車の汎用性は低い
  • 腹筋ローラーは便利だけど腹筋の筋トレにしか使えないので汎用性はない
  • ダンベルがあれば色んな種目に取り組めるので筋トレ器具の中でも特に汎用性に富んでいる

2.汎用的

以下のように「汎用的な」や「汎用的に」というような使い方もできます。

  • 自炊をはじめる場合、汎用的な調味料から揃えましょう
  • スマホは仕事・プライベート問わず、汎用的に使っています

3.汎用する

『汎用』は動詞として『汎用する』というような使い方もします。

  • ドラッグストアは安くて品揃えもよいので汎用しています
  • 折り紙は緑色を汎用しがちです

4.汎用〇〇

  • 汎用機器
  • 汎用部品
  • 汎用工具
  • 汎用パソコン
  • 汎用エンジン
  • 汎用リモコン

このように「幅広い用途に使える」という意味で『汎用〇〇』といったように名詞を修飾するように使うこともあります。

『汎用』と『凡庸』は間違いやすいので要注意

汎用はんよう』と間違いやすいのが『 凡庸ぼんよう』という言葉です。これらは読みも意味も異なります。

  • 汎用:幅広く使われること
  • 凡庸:すぐれた点がなく平凡なこと

『凡』は「ごく普通であること、ありふれていること」、『庸』は「ふつう」という意味。つまり『凡庸』は『寒冷』や『増加』などのように似た意味の漢字を並べた二字熟語です。

『汎用』とは全く意味が違います。

「凡庸性が高い」「凡庸的だ」なんて使い方もしないので、気をつけましょう。