「以降」の正しい意味・使い方|範囲は当日を含むのか?

「来月の1日“以降”にお越しください」

このように言われたとき、少し悩む人は多いのではないでしょうか?

以降は当日を含むのか否か。1日に訪ねていいのか、それとも2日まで待って訪ねないといけないのか。

結論を言うと以降は基準を含むので、1日に訪ねても構いません。

今回は『以降』という言葉について解説していきます。

「以降」の正しい意味

以降の意味は以下の通り。

ある基準となる時からあと(基準を含む)

基準を含むのがポイント

  • 「2000年以降」⇒2000年を含む(2000年、2001年、2002年・・・)
  • 「1月以降」⇒1月を含む(1月、2月、3月・・・)
  • 「明日以降」⇒明日を含む(明日、明後日、明々後日・・・)
  • 「10時以降」⇒10時を含む(10時、11時、12時・・・)

このように〇〇以降というと、〇〇を含んだあとのことを指します。

日本語の範囲や期間を表す言葉は、基準を含んだり含まなかったりするためややこしいと感じることが多いでしょう。

たとえば『未満』という言葉は基準を含まずそれより小さい範囲を指す言葉です。『18歳未満』というと基準となる18歳は含まず「17歳、16歳、15歳・・・」を指します。

つまり『18歳未満禁止』というと『18歳から解禁』、『18歳以上ならOK』という意味です。

『未満』以外は基本的に基準を含む

範囲や期間を表す熟語はいろいろありますが、基本的に『未満』以外はすべて基準を含むと覚えておきましょう。

  • 以上=基準よりも大きいこと
  • 以下=基準よりも小さいこと
  • 以後=基準よりも後のこと(以降とほぼ同意)
  • 以前=基準よりも前のこと

『160cm以上=160cm、161cm、162cm・・・』『30点以下=30点、29点、28点』『1時以後=1時、2時、3時・・・』『5月以前=5月、4月、3月・・・』

といったように、範囲を表す熟語は未満を除いてどれも基準を含みます。「以○」は基準を含むと覚えてもいいですね。

『以前』だけは文脈によって異なる

ただし『以前』については場合によっては基準を含まない場合もあるので、文脈で判断する必要があります。

「先土器時代とは縄文“以前”の時代です」

「東京にくる“以前”は大阪に住んでいた」

「ルールを把握していないのは練習量“以前”の問題」

このように以前に関しては基準を含まないでそれよりも前のことを指す場合があります。ただこれらは文脈で判断しやすいので特に困らないでしょう。

『未満』の対義語は『超過』だけど一般的ではない

未満があるのなら、基準を含まずにそれよりも大きいことを指す言葉がありそうなものです。

一応対義語として『超過』と言う熟語がありますが、一般的に「18歳未満」というような使い方で「17歳超過」といったりすることはありません。

「17歳よりも年齢が上」というような回りくどい言い方をしないといけません。