インフルエンザ時の「下痢」や「腹痛」の原因と対処法

インフルエンザにかかると様々な症状が現れますが、下痢や腹痛などもその一つです。

ただ、インフルエンザが直接的な原因ではなく、薬の副作用であったり、他の感染症が併発している場合などもあります。

今回はインフルエンザにかかった際の下痢や腹痛の原因や症状について詳しく解説します。

インフルエンザ時の下痢や腹痛の原因

インフルエンザの際に下痢や腹痛という症状が現れるのは珍しくありません。

その原因として主に3つ考えられます。

原因1.インフルエンザB型の症状

インフルエンザには冬に流行するA型とB型、年中感染の可能性があるC型の3種類ありますが、
B型は下痢や腹痛など消化器系の症状が出やすいという特徴があります。

風邪と見分ける際の特徴の一つです。

ちなみに、A型やC型の場合は消化器系の症状が出ることはあまりありません。

原因2.タミフルなど抗インフルエンザ薬の副作用

インフルエンザにかかると病院で抗インフルエンザ薬を処方してもらいますが、
これを服用すると副作用として下痢や腹痛などの症状が現れることがあります。

現在、病院で取り扱われている抗インフルエンザ薬は以下の4種類。

  • タミフル(カプセル・粉末)
  • リレンザ(吸入)
  • イナビル(吸入)
  • ラピアクタ(点滴)

それぞれ服用方法や服用回数、服用推奨年齢、アレルギーや体質による適正などの違いがあります。

また、いずれも副作用の可能性があり、
特にタミフルラピアクタは下痢、腹痛の症状が多く報告されているのです。

原因3.ノロウイルスの併発

ノロウイルスはインフルエンザとほぼ同時期12月~2月に流行し、
同時に感染することがあります。

インフルエンザはあらゆる症状が現れるのに対し、
ノロウイルスは下痢や嘔吐などの消化器系の症状が主です。

対処法に大きな違いはありません。

いずれにしても安静にして他の人へうつさないようにする配慮が必要になります。

インフルエンザ時の下痢の対処法

インフルエンザ時の下痢はつらい症状ですが、
ウイルスが排出されているのでインフルエンザの回復に繋がります。

なので下痢止めで無理矢理抑えるというのはインフルエンザを長引かせることに繋がります。

下痢自体は回復のために悪い症状ではないのですが、
水分の損失や肛門の痛みなどにはしっかり対処するのが望ましいです。

対処法1.水分をしっかり摂る

インフルエンザはただでさえ汗で水分が失われやすいのですが、
下痢になるとなおさらです。

脱水症状には特に気をつける必要があります。

水分とともにミネラルが流出されるので、
スポーツドリンク経口補水液などでミネラルを補給しましょう。

また食欲も無いと思うので、
果汁ジュース炭酸抜きコーラなどでビタミンやエネルギーを摂るのもおすすめです。

水分を摂ったら繰り返し下痢の症状が現れるかと思いますが、
回復に向かっていると捉えましょう。

対処法2.胃腸に優しい食事をとる

下痢の状態で消化に悪いものを食べてもしっかり栄養が吸収できないため、
胃腸に優しく消化しやすい食べ物をとるのが大事です。

消化に良い食べ物とは以下のようなものを指します。

■消化に良い食べ物の特徴

  • 柔らかい
  • 温かい
  • 細かい
  • 繊維(不溶性食物繊維)が少ない
  • 脂質が少ない

逆にインフルエンザの時に食べたいと思わないもの、
例えば、脂っこいものや硬いもの、よく噛まないといけないものなどは消化に悪いので控えましょう。

対処法3.肛門にワセリンを塗る

下痢が続くと肛門が痛くなるかと思いますが、
これは“トイレットペーパーでお尻を拭く際の刺激”“排出される消化液の刺激”で肛門の粘膜が傷つけられることが原因です。

ワセリンは刺激や副作用もほとんどなく、しっかり粘膜を保護してくれるので、
排便の際の痛みを和らげるのに非常に効果的です。

ドラッグストアで手軽に購入することができます。

肛門に塗る際は抵抗があればビニール手袋などを装着し、
ワセリンを指にたっぷりつけ、人差し指の第二関節くらいまで肛門に入れます。

対処法4.おしりに優しいトイレットペーパーを使う

トイレットペーパーの種類によってもだいぶ刺激の大きさが違ってきます。

若干一般的なトイレットペーパーよりも若干値段が高くなりますが、
柔らかいトイレットペーパーや吸水性が高いウォシュレット用のトイレットペーパーなどは、お尻の刺激も少ないのでおすすめです。

対処法5.医師に相談する

抗インフルエンザ薬を服用し始めてから下痢になったという場合、
自分の判断で薬の服用を辞めず、まずは医師に相談しましょう。

それ以外の場合でも、下痢があまりに酷い場合や長引く場合は他の病気を併発している可能性があります。

5日以上、下痢や腹痛が続く場合も医師の相談が望ましいです。

インフルエンザ時の腹痛の対処法

腹痛に対してはあまりできることはありませんが、

  • お腹の刺激を少なくする(締め付けがゆるい衣服を着る)
  • 刺激物を食べず胃腸に優しいものを食べる
  • お腹を温める(カイロをあてる、温かい飲み物を飲む)
  • 整腸剤を飲む

などの対処法があります。

お腹に刺激を与えないというのは当たり前ですが、
お腹を温めるというのは想像以上に効果があるのでおすすめです。

お腹をさするのも効果的です。

これでもまだ腹痛が酷いのなら整腸剤を飲みましょう。

市販の整腸剤も効果があり、
下痢止めの作用はないのでインフルエンザの回復を妨げる心配もありません。

あとがき

以上、インフルエンザ時の下痢や腹痛の原因と対処法についてでした。

主にインフルエンザB型の症状なのですが、
A型と比べて熱や頭痛などの症状が出にくく重症化しにくい反面、
消化器系の症状が出やすいことと完治まで時間がかかるというのが厄介な点です。

それでもこの記事を参考に対処し、
安静にして休養と栄養をとれば順調に回復していくはずです。

他にもインフルエンザに関することは色々まとめているので、
是非ご覧ください。