インフルエンザに市販の風邪薬は効果あり?症状別のおすすめ製品

インフルエンザの際に使用する薬といえば、病院で処方されたタミフルなどの抗インフルエンザ薬が一般的です。

では、ドラッグストアなどで市販されている風邪薬はインフルエンザ時に使ってはいけないのか?

使えるものがあるならどんな風邪薬を使うべきか?

これらのことについて解説していきます。

インフルエンザに市販の風邪薬は使えるのか?

結論から言うと、
インフルエンザの際にも市販の風邪薬を使うことができます。

ただ2点ほど注意することがあります。

注意点1.インフルエンザの治療効果はないため、対処療法として使用する

風邪薬にインフルエンザの治療を促進する効果はありません。

そもそも、病院で処方される抗インフルエンザ薬でさえインフルエンザを治す効果はなく、
ウイルスの増殖を防ぐ効果しかありませんからね。

では風邪薬にはどんな効果が期待できるのかというと、
熱や咳、鼻水、喉の痛みなどの症状を緩和させるというものです。

使用する場合は症状に合わせて薬を選ぶ必要があります。

注意点2.インフルエンザの際に使ってはいけない市販薬もある

市販の薬の中にはインフルエンザの際に使用するとインフルエンザ脳症やライ症候群など、
命にかかわる症状が発症するリスクを高めるものもあります。

なので市販の薬を服用する場合は医師の指示を仰ぐ、
または成分をしっかり確認してからにしましょう。

インフルエンザ時に危険な風邪薬

インフルエンザのときに服用すると危険な風邪薬は、
解熱作用のある特定の成分を含むものです。

以下の4種が挙げられます。

  • アセチルサリチル酸(アスピリン)
  • エテンザミド
  • ジクロフェナク
  • メフェナム酸

市販薬に主に使われているのは「アセチルサリチル酸」「エテンザミド」です。

アセチルサリチル酸の例・・・バファリン、ケロリン

 

エテンザミドの例・・・ナロンエース、ノーシン、新セデス錠

鼻水や喉の痛み、咳などを抑える風邪薬などはあまり危険な成分は含まれていませんが、
解熱効果がある風邪薬を使用する場合は注意しましょう。

インフルエンザ時でも安全な風邪薬

それでは安全な市販の風邪薬について、
症状別にご紹介していきます。

熱、頭痛に効く市販薬

熱や頭痛はインフルエンザの治療が進行しているサインでもあるため、
無理矢理それを抑える解熱剤は治療を長引かせてしまいかねません。

なるべく解熱剤には頼らず、
我慢したり、“脇の下や首筋の血管を冷やす”など簡易的な方法で対処するべきです。

しかしあまりに症状が酷い場合は解熱剤を服用せざるを得ません。

前述したように危険な成分を含む市販の解熱剤はいくつかあるので、
安全な成分が配合されている解熱剤を使用しましょう。

「アセトアミノフェン」「イブプロフェン」、または「漢方」です。

アセトアミノフェンの例・・・タイレノールA、小児用バファリンチュアブル、ラックル

 

イブプロフェンの例・・・イブA錠、ノーシンピュア

 

アセトアミノフェンとイブプロフェン両方が配合・・・バファリンルナ

 

漢方の例・・・麻黄湯(まおうとう)、葛根湯、銀翹散(ぎんぎょうさん)

 

また、ロキソニンについては20歳以上なら服用可能です。

咳、痰、喉の痛みに効く市販薬

インフルエンザは初期症状の高熱や頭痛が引いてきたら、
咳、痰、喉の痛み、鼻水など呼吸器系の症状が現れます。

これらの症状は風邪薬に頼らずとも対処法はいくつかあるので、
まずはこちらをお試しください。

以上の対処法で十分効果がなかった場合に風邪薬を服用しましょう。

咳や痰、喉の痛みに効く安全な風邪薬をご紹介します。

それぞれの症状に効果がある成分は以下の通り。

  • 喉の痛み:トラネキサム酸など
  • 咳:ジヒドロコデインリン酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩など
  • 痰:ブロムヘキシン塩酸塩、グアイフェネシンなど

ルルアタックEX

あらゆる症状に効く成分が含まれている風邪薬です。
安全な成分ですが解熱成分の「イブプロフェン」も含まれているため、完治が長引くことが気になるなら服用は控えたほうがよいです。

 

ペラックT錠

喉の痛みに特化した薬です。
トラネキサム酸に加え、粘膜の保護や炎症の抑制効果がある成分が含まれていますが、解熱成分は含まれていないため安心して使用できます。

 

パブロンSせき止め

咳や痰に特化した薬です。
咳や痰を鎮める効果のある成分が複数含まれていますが、解熱成分は含まれていないため安心して使用できます。

鼻水、鼻づまりに効く市販薬

では最後に鼻水や鼻づまりに効く風邪薬をご紹介します。

鼻水等に効果がある成分は以下の通り。

  • クロルフェニラミンマレイン酸塩
  • クレマスチンフマル酸塩
  • ベラドンナ総アルカロイド
  • ヨウ化イソプロパミド

具体的な製品を見ていきましょう。

ベンザブロックSプラス

鼻水や鼻づまり以外にも喉の痛みを和らげる成分が含まれています。
ただ、この製品も安全ですが解熱成分の「アセトアミノフェン」が含まれているのでできれば控えたほうが良いです。

 

パブロン鼻炎カプセルS

鼻水、鼻づまりを抑える作用のある成分を複数含んでおり、鼻の症状に特化した風邪薬です。
解熱成分は含まれていないため安心して使用できます。

 

新コンタック600プラス

こちらも鼻水、鼻づまりを抑える作用のある成分を複数含んでおり、鼻の症状に特化した風邪薬です。
解熱成分は含まれていないため安心して使用できます。

あとがき

以上、インフルエンザで安全に使用できる風邪薬についてでした。

インフルエンザの際に危険な市販薬は解熱作用のある特定の成分を含むものだけなので、
しっかり成分を確認したら問題なく服用できます。

しかし、中にはインフルエンザの治療の妨げになるものがありますし、
体質によっては副作用が現れることも考えられます。

薬に頼らずに対処する方法もあるのでまずはそちらを試しましょう。