インフルエンザの予防接種を受ける際、注意しないといけないこととして“副反応(副作用)”が挙げられます。
予防接種後に注射箇所や体調に異変が起こるのは珍しくありませんし、ごくまれに命にかかわる重篤な副反応が起こることもあるのです。
今回は副反応の症状や発生する確率、対処法などについて詳しく解説していきます。
インフルエンザ予防接種の副反応の概要
- 副反応が起こるタイミング:予防接種後から24時間後まで
- 軽い副反応
- 注射箇所の症状(10~20%):赤くなる、腫れる、熱を持つ、硬くなる、痛くなる
- 全身の症状(5~10%):発熱、倦怠感、めまい、悪寒、頭痛、嘔吐、下痢
- 治る期間:どちらの場合も2~3日で治る
- 対処法:症状が治まるまで激しい運動、入浴、お酒などは控えて安静にする
- 重篤な副反応
- 症状(0.002%):アナフィラキシーショック、高熱、急性散在性脳脊髄炎、ギランバレー症候群、肝機能障害、ぜんそく、けいれん、紫斑
- 対処法:すぐに医師に連絡して指示を仰ぐ
それでは詳細に説明していきます。
予防接種の軽い副反応について
予防接種の副反応は20~30%と高い確率で起こりますが、
そのほとんどが軽い副反応です。
摂取箇所が赤く腫れたり、熱をもったり、痛くなったり、局所的な症状の場合が多いですが、
全身症状が起こる場合もあります。
どちらも珍しいことではないので深刻に考える必要はありませんが、
症状が長引かないために安静にしておく必要があります。
その間は激しい運動や入浴、飲酒は控えましょう。
期間にすると2~3日程度で治ります。
症状が酷くなければ軽いシャワーくらいなら構いません。
また、摂取箇所の症状の場合気になって触ったりしがちですが、
細菌が入ったり炎症を起こしたりすることがあるので触らないようにしましょう。
予防接種の重篤な副反応について
予防接種後に重篤な副反応が起こることがある聞くと恐ろしいですが、
過去のデータを参照するとその割合はわずか0.002%程です。(5万人に1人程)
確率で言うとコインを投げて15回連続で表を出すことよりも珍しいくらいですね。
また、インフルエンザワクチンと重篤な副作用との因果関係は明らかではありません。
中には予防接種の副反応で亡くなってしまう人はいますが、
そのほとんどが何かしらの疾患を抱えた高齢者でした。
インフルエンザに感染して亡くなってしまう人の数と比べると極わずかです。
重篤な副反応の症状について
重篤な症状としては、
アナフィラキシーショック、高熱、急性散在性脳脊髄炎、ギランバレー症候群、肝機能障害、ぜんそく、けいれん、紫斑など多岐にわたります。
最も多いのがアナフィラキシーショックです。
アナフィラキシーショックの具体的な症状としては、
全身のあらゆる器官にアレルギー反応が起こり、死に至るケースもあります。
- じんましん、かゆみなどの皮膚の症状
- せき、くしゃみ、息切れなど呼吸器系の症状
- 目のかゆみ、くちびる・舌・口内の腫れなど粘膜の症状
- 血圧低下(めまい、意識消失、顔面蒼白、嘔吐)など循環器系の症状
以上の症状が複数起こります。
重篤な副反応の対処法
アナフィラキシーショックの症状が見られる場合や、
それ以外の痙攣や高熱など書状が酷い場合は迅速に医師に連絡するのが大事です。
特にこのような症状が起こる場合は予防接種を受けてから1時間以内の場合が多いので、
その間はすぐに連絡できる状況でいましょう。
あとがき
以上、インフルエンザ予防接種の副反応についてでした。
重篤な症状が起こるのは極僅かな確率ですが、
軽いものの場合は30%近くが起こるというのは頭に入れておきましょう。
慌てず冷静に対処して安静にしておくのが大事です。
ちなみに、今回の記事に関連して、
インフルエンザの予防接種の際の注意点についても詳しくまとめているのでぜひご覧ください。
⇒インフルエンザ予防接種の際の注意点|運動・お風呂・お酒はOK?
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