インフルエンザに感染した時に治療のためにできることと言えば、「抗インフルエンザ薬を飲む」、「休養をとる」、「栄養を摂る」この3つくらいです。
ただ、これらの中で特に栄養を摂るというのが難しく、どういう栄養素をどういう食品から摂れば良いのかというのがわからない人が多いと思います。
そこで今回、インフルエンザに感染した時の食事や飲み物の注意点について説明していきます。
ちなみに、インフルエンザの予防のための食事についてはこちらをご覧ください。
⇒インフルエンザ予防に効く食べ物一覧&栄養の摂り方のポイント
目次
インフルエンザに感染した際に摂るべきもの
まず、インフルエンザに感染した際に摂取すべきものとその理由について、
順番に説明していきます。
- 水分
- 消化に良いもの
- 栄養価が高いもの(たんぱく質・各種ビタミン)
- カロリー(糖質)
- 喉に良いもの
1.水分
まず、一番に重要となるのが水分です。
インフルエンザにかかると発汗、下痢、嘔吐などで排出される水分量が多くなるため、
脱水症状になりやすいのです。
また、インフルエンザの時期は湿度が低く乾燥しやすいため、
喉を保護するという意味でも水分摂取は重要になります。
こまめに水分を摂ったり、水分の多い食事を摂ったりするのが大事です。
2.消化に良いもの
インフルエンザにかかっている時は内臓の機能が弱まっているため、
なるべく胃腸に負担がかからないもの、つまり消化に良いものが好ましいです。
消化に良い食べ物とは以下のようなものを指します。
■消化に良い食べ物
- 柔らかい
- 温かい
- 細かい
- 繊維(不溶性食物繊維)が少ない
- 脂質が少ない
3.栄養価が高いもの(たんぱく質・各種ビタミン)
インフルエンザウイルスを撃退するために体の免疫力をつける必要があります。
そして免疫力をつけるために欠かせないのが“たんぱく質”や“各種ビタミン”などの栄養素です。
ビタミンはそれぞれ、
免疫力を高めたり、鼻や喉の粘膜を保護したり、代謝を高めエネルギー生産を促したり、
回復のために重要な作用を担っているためバランス良く摂る必要があります。
4.カロリー(糖質)
体の機能を正常に動かしてウイルスを撃退するために、
エネルギーが必要になります。
そのためすぐにエネルギーとして取り出せる糖分も積極的に摂取するのが重要です。
5.喉に良いもの
喉がいたい時はお腹が空いていても食べる気が削がれてしまうため、
できるだけ喉に優しいもの、喉の炎症を抑えるものを食べるのが重要です。
では具体的におすすめの飲み物や食べ物についてご紹介していきます。
インフルエンザに感染した時の飲み物
続いてインフルエンザ感染した際に、
何を飲んで水分補給をすべきかというのを説明していきます。
おすすめは以下のものです。
- スポーツドリンク(発汗で失った塩分の補給)
- 経口補水液(発汗で失った塩分の補給)
- 果汁ジュース(ビタミンや糖分の補給)
- 野菜ジュース(ビタミンや糖分の補給)
- 炭酸抜きコーラ(糖分の補給)
ただの水やお茶でも構わないのですが、
食事で十分栄養が摂れない分、飲み物で栄養を補うのをおすすめします。
また、発汗で塩分はどんどんなくなっていくので、
汗をかいたら水に砂糖と塩を溶かした経口補水液、またはスポーツドリンク等で補給しましょう。
※麦茶はミネラルが豊富と思われがちですが、ほとんど含まれておらず栄養補給の観点ではほぼ水と同じなので注意
果汁ジュースや野菜ジュースはビタミンや糖分の補給ができます。
そして、糖分の補給で最も効率が良いのが炭酸抜きのコーラです。
炭酸を抜いたコーラはエネルギーの変換効率が極めて高く、
手軽にエネルギーを得る方法としてマラソン選手などに利用されている程なのです。
ただし、炭酸の刺激は喉に悪いので炭酸は絶対に抜いてから飲むようにしましょう。
インフルエンザに感染した時の食べ物
続いて、インフルエンザ時におすすめの食べ物についてです。
- 主食(糖質)
- 主菜(たんぱく質)
- 副菜(ビタミン・ミネラル)
- 果物(糖分・ビタミン・ミネラル)
- デザート
- 喉に良いもの
この順番でご紹介していきます。
1.主食(糖質)
まずはエネルギー源となる主食について。
- おかゆ
- 雑炊
- 蒸しパン
- うどん
- ウィダーインゼリー
これらは消化に良く比較的食べやすい炭水化物食品です。
風邪やインフルエンザの際には“おかゆ”が定番ですが、
手軽に食べれる蒸しパンなども意外と消化が早く胃腸の負担が少ないのでおすすめ。
これらも食べる気にならないなら、
エネルギー補給を目的とした“ウィダーインゼリー”のような流動食もいいですね。
2.主菜(たんぱく質)
続いてたんぱく質補給のための食品についてです。
- ささみ
- 鶏胸肉(皮なし)
- ヒレ肉
- 白身魚
- 豆腐
- 卵
ポイントは、“脂質が少ない”ということ。
たんぱく質食品の中には肉や魚など脂質を多く含むものがありますが、
これらは基本的に消化に悪いので要注意です。
肉や魚の中でも脂質が少ない
「ささみ」「皮なし鶏胸肉」「牛・豚ヒレ肉」「白身魚」などは消化に良いのです。
卵はビタミンCを除いて多くのビタミン・ミネラルを含み、たんぱく質も豊富なので、
栄養摂取の観点ではとても秀でています。
ただしゆで卵や目玉焼きなどは消化に良くないので、
消化が早い半熟状態の卵がおすすめ。
ちなみに、大豆食品の中でも豆腐は消化に良いのですが、
納豆やおからは消化に悪いので控えたほうがいいですね。
チーズなどの乳製品も摂り過ぎなければたんぱく質の摂取には向いています。
3.副菜(ビタミン・ミネラル)
続いて、ビタミンやミネラル補給のための副菜について。
野菜には消化に良いもの、悪いものがありますが、
消化に良い代表的な野菜を挙げます。
- ほうれん草
- 小松菜
- チンゲンサイ
- 大根
- かぼちゃ
- にんじん
- じゃがいも
- 長いも
これらに対し、いかにも繊維質が多く硬い野菜、
例えば「ごぼう」「レンコン」などは消化しにくいので控えましょう。
きのこ類や海藻類も栄養豊富ですが、同様の理由でNGです。
ちなみに野菜は生で食べるのではなく、
温野菜にしたり、野菜スープにしたり、加熱することで胃腸の負担を減らすことができます。
小さく切ったり、スムージーにしたりするのもおすすめです。
4.果物(糖分・ビタミン・ミネラル)
栄養補給とともに水分補給ができる果物ですが、
果物の中でも消化に良いものと悪いものがあります。
消化に良い果物は以下の通り。
- りんご
- バナナ
- 桃
すりおろしりんごや桃の缶詰などは風邪の定番というイメージがあるかと思いますが、
すりおろすことでさらに消化効率を高まり、缶詰はさらに糖分の補給に繋がります。
バナナは消化によく栄養豊富というだけではなく、
手軽に食べられるというのも大きな利点です。
一方、柑橘類やスイカ、メロン、梨、柿、ブドウ、イチゴなどは比較的消化に悪い果物なので、
あまりおすすめできません。
5.デザート
インフルエンザの時、
食事は食べられないけど甘いデザートなら食べられるという事があると思います。
そういう時は以下のように食べやすいデザート、消化に良いデザートをおすすめします。
- ゼリー
- プリン
- 水ようかん
- ヨーグルト
脂質が多いアイスクリームや生クリームを含むもの、
ポテトチップスなどの油っこいスナック菓子はNGです。
6.喉に良いもの
最後に抗炎症作用や殺菌作用があり喉に良い食べ物をご紹介します。
- はちみつ
- 生姜
- ねぎ
- 大根
喉の痛みがひどい場合はこれらの食品がおすすめです。
あとがき
以上、インフルエンザの時におすすめの飲み物や食事についてでした。
インフルエンザにかかったら、
薬を飲む、栄養を摂る、寝る、この3つしかできることができません。
その中でも栄養の摂り方によって回復を早めることもあれば、
逆に体に負担をかけたり回復を遅めたりすることもあります。
是非この記事を参考にして正しい栄養摂取をして頂ければなと思います。
ちなみに、その他インフルエンザに関することはこちらにまとめています。
⇒インフルエンザの概要(初期症状・潜伏期間・感染予防・対策)
■インフルエンザの記事一覧
《基礎知識》
《予防》
《治療》
- インフルエンザの検査方法
- インフルエンザの際に摂るべき食事・飲み物
- インフルエンザ薬
- 元の生活に戻るまでの期間
- インフルエンザの症状の対処法